草笛伝統のそば

蕎麦の話・その2 蕎麦の栄養について

■蕎麦の効能

そばの栄養  蕎麦には必須アミノ酸が多く含まれています。身体の発育に大切なリジンや、スタミナ源として注目されているアルギニン、トリブトファン、メチニオンなどのアミノ酸が良質なタンパク質を形成しています。
 また、ビタミンB群が多く含まれていることも注目されています。B1は体力の低下、イライラ、食欲不振の解消に、B2はお肌の健康に欠くことのできない栄養素といわれています。
 さらに、そばは穀類で唯一、ビタミンPの一種であるルチンを含んでいます。ルチンは、血管の老化現象を予防する効果があり、ビタミンCと同時に摂ることで、血管がもろくなることを防ぐ働きをすることがわかっています。

■そばは理想の健康食

 茹でたそばは、炊いたご飯と比べてカロリーが少なく、それでいてバランスの取れた栄養素と食物繊維を多く含んでいます。おいしく味わいながら、整腸作用でおなかをすっきり。コレステロールや有害物を排出して、きれいな肌、健やかな身体づくりに役立つのです。
 行者や修剣者と呼ばれる人たちが「そば粉」を携えて山中に入り、清水でといて食べながら厳しい修行を耐え抜いたといわれていることも、蕎麦が食品としてすぐれている事を証明しています。実際に、探検家植村直己氏が、探検に携帯する蕎麦粉を買いに草笛までいらしたことがありました。

■酒とそば・・・相性の良い理由

 江戸の昔から、お酒の後にはおそばが良いとされていますが、これにはきちんとした裏付けがあります。そばに含まれるコリンという成分には肝臓の働きを促進する効果があります。飲酒による肝臓の負担を蕎麦の効用で補う作用があるのです。

■7割り蕎麦へのこだわり

 このように効能がある蕎麦を、草笛は何故十割蕎麦としてでなく、七割蕎麦としてお出ししているのでしょう。この七割蕎麦は仙石秀久公が伝えたものを草笛が伝承する形で守り、こだわり続けているものですが、実は胃にやさしく、健康に最も良い割合であることが近年蕎麦シンポジウムにおいても発表されました。国内のある製薬会社が不老長寿の薬を研究し、18年かかってたどりついたのも七割蕎麦だったという事実がその効用を証明しています。